[己が望み得られなかった生を、
代わりに生きてもらった男に対しての感謝であり
己の生の終わりを悟った男の最期の言葉であると知るのは、
生前の彼と作品を作り上げた者のみだ。
もう数十年前のことになる為、これに該当する人間は少なくなってはいるものの
当時の若手社員であり、最後の作品の編集を担当していた者が今は出版社の上層にいることで
アレクサンド・ロメロの名はまだ風化されず、
その曾孫を守る為の動きも早かった。
彼がいなかったら、、
サンシア・ロメロという名が広まることすらなく、
今目の前にいるスイッセス>>276に、
『宙色の鍵』が読まれることも無かっただろう]