[メトロポリスの暮らしは幸せか、と不意に問われて、一瞬だけぽかんとした表情を浮かべる。
幸せ──幸せか。考えたこともなかった。
悩むように、現在よりも短く生えた顎髭を撫でる。]
そうだな…まあ、ヴァルハラよりはマシだろう。
下半身が吹き飛んでも、脳が欠けても、メトロポリスなら再生できる。
明日からも、変わらず今日を生きていける。
それは、幸せなことだと思うぜ。
[どこか、他人事のように返事をする。
子どもがした問いの意図は大衆ではなかったような気がするけれど、自分が幸せかどうかについては、結局答えが出せなかった。*]