現在:例の特別独房地帯(ただし地上階)
『それでなー今日の
新物の頭イカレたピエロ野郎と例のドルヲタ画伯野郎のシンクロナイズドエアリアルサーカスが開催中だってベラっち言ってたんだよ〜あー今日の新物と言えば他にもようじょの顔した猛獣もいるんだけどさー別にライオンの火の輪潜りとかクマの自転車芸やってたって話は別に何もなかったんだけど〜まあそれはそれとしてとりあえずさーさっき見に行ってみたらもうお開きでアーカイブ配信もやってないとかマジつまんねー監視カメラ映像漁ってみるかなーでもめんどいしなーあー今日も所長楽しそうっすねー』
[……などという看守のお喋り(一応、新入りの囚人に関する情報が含まれてはいた)を延々と聞かされていたハリコは、至って死んだ魚のような目でこの拷問を耐え忍んでいた(実のところ、看守自身には特に拷問の心算はなかったらしい)。
一通りの“拷問”が終わった後、この巡回担当は別の区画へと移っていき。次はだれが延々とこの脈絡のない話を聞かされるのだろうか。まあそれはたぶんどうでもいい。]