[そんな私に、居住まいを正されたスイッセスさんから
式番まで含めた正式な紹介を受け。
光栄ですとまで言ってくれた相手に、私も向き直り]
こちらこそ。
実は、宙色の鍵は
小説家としての私が初めて自分の為に生んだ物語なんです。
同じ年を重ねた方に、読んで頂けて良かった。
[作家の私と、同じ年月を生きた彼に届く物語を書けて良かった。
そう言って笑った後、彼が話してくれる感想を聞き、
作家になった経緯や苦労などは流石に面白い話でもないから濁すものの、
スイッセスさんが作品内に抱いた疑問には何でも答えただろう。
勿論、サインを下さいというお願いも、
もし相手の方が望まれるなら、スイッセスさんが感想を言い合ったという方にもサインを認めるくらいには快く応じたのだった**]