その日の晩・オーネストと>>306
へっ、わたし?
[おつまみを用意して手渡しに行く頃には、もう注いだお酒は幾分か嵩を減らしていた。
店を閉めるからと気を使わせてしまったか、と考えていると、不意に投げかけられた言葉に一瞬硬直する。
オーネストは私のことを知らないはずだ。何かぼろでも出してしまっただろうか、と背筋を冷やしつつもそれを悟られないように年相応の反応を意識する。]
――たぶん人間だよ?きっと10歳くらいの。
[正確な年齢は知らない、と言えばリアルだろうか。
私は外見どころか触った感触だって人間と遜色ないのだから、違う、知らないと言うだけでも追及は容易ではないだろう。
どうしてそんな事をと聞くと、妙に大人びているから、と答えるオーネスト
>>306。
これ以上の追及が無いようであれば、適度に話題を変えつつつかの間の話し相手として客席近くの作業を優先していたりするのかもしれない。
――もしかしてさっき一緒にいた人が関係してるのかな?と思い立ち尋ねることも考えるが、蛇の出る藪を突くのは愚か者のすることだ。アリシアは今日見た一部始終を彼に伝えることはなく、何事もなければしばらくの話し相手をつとめた後でお店を閉めるだろう。**]