−刹那の視線−
[>>239
先程まで騒がしかった見せしめショーを終えて、
道化師の男がこちらを向いた。
笑っている? それとも、泣いている?
表情までは伺いしれなかった。]
[だだっ広い部屋の向こう。
しらじらと浮かび上がる顔が、
入念に施された化粧によるものだとは分からなかった。
なので、己の知識の範疇で片付けることにした。
すなわち、自分と同じような“モノ”であろう、と。
ひとでなしであること、それ自体は罪ではないのだ]
(あいつは、何で、捕まったんだろうな)
[鉄格子の向こうをじっと見ていると、
付き添いの看守がおい、と肩を小突いた。
頭を振って敵対の意思がないことを示し、歩き出す。]*