レオーネさん?
もしかしてさっきの大きい猫ちゃん……わっ──!?
これは一体どういう仕組み……ゆ、夢だからかな?
[無から生じたように見えた上着を目にすれば、笑ったそばから驚愕に表情を変え、話そうとしていた内容も吹っ飛ぶ。>>323
羽織らせてくれたことから自分の為だと知れるだろうに、少年はお礼を言うのも忘れて思考する。
彼の世界に存在する超常能力はここまで万能なものではなく、魔法はフィクションでしかなかった。]
服……考えてませんでした
どうやったら変えられるのかな
[提案は少年には指摘として響く。
きょとんとした顔は、自分の服装の浮き方に気づいてはっと真剣なものになった。
ぎゅっと目を閉じて意識を集中させた自己流のやり方の前に、何かやり取りがあったのかはさておき。
どんな服装で地上に生きていたのか、彼は記憶を蘇らせ──すると不意に、柔らかな布団を軽く叩いたような音が聞こえた。]