僕も出来ました、マストさん……![目を開いた少年は自分の身体を見下ろし、隣の男性を見上げ、どこか誇らしそうに頬を染めて報告した。肩に描けられたアウターパーカーはそのままに、装いは黒いシャツと膝丈パンツ、ハイソックスとスニーカーに変わっていた。首輪は消さなかったのか消せなかったのか、果たして。はしゃぐ程華やかな装いでも無かった。研究区では慕う兄と評価を分けられている少年は、今この優しい大人の真似が出来たことがとても喜ばしく思えたのだ。]