[ここで口にした「まさか」の夢物語は、アリシアに思い切り声を出して笑われてしまった>>277。
「笑われて」といっても嘲りではなく、寧ろ本当に「素敵」だからこそのような、そんな笑いだったようにオクリビは認識している。
アリシアの「知ってるでしょ」に、「ええ」と一つ頷いた。
派閥争いに巻き込まれての死。機械化。人の中での生。
リリオに居た自分からは口に出すことを憚られてきた身の上話に、ひとつ、ひとつ相槌を打ち――。
その話が「幸せ」へと至った時>>278に、意外さを示すように両目を大きく瞬かせた。
それから「私でありたい」という答え。そして、今の夢。
アイドルについては「ごめんね」という返答だったが、オクリビは軽く苦笑いするだけだった。苦笑いの中の柔らかさが、本気で残念がっている訳でないことを示している。]
ふふ、アイドル活動は気が向いたらでいいわ。
貴方の夢を教えてくれて、ありがとう。アリシア。
[にっこりと笑う機械の少女に、機械の女は、穏やかな声音で言葉を続ける。]