あの子……ページボーイこそ、
今回の件では大変だったでしょうけれど。
貴女が側にいるなら、心配ないでしょう。
貴女と共にあった、夜雀のお宿もね。
[孤児だったページボーイについてはリリオから拒否を出した訳では無く、あくまで先に拾ったのが「夜の女王」だった、というだけの話。
故に彼女に対しての深い負い目は無かったが、公爵の側に付いていた時の様子とあの夜耳に届いた慟哭>>1:29>>1:30が思い出され、「大変」という語をここで零していた。
「大変」どころではなかったかもしれないとも考えど、深い憶測はここでは避け、端的な一言のみに留めていた。]
そして勿論、国のことも――
トループを守るって願いなら、私も同じね。
この国には、私を生かしてくれてる人がいる。
あの子……ズィーも、そのひとりだから。
[ここでズィーについての「何故」を語りだせば(他の「生かしてくれてる人」についても)、聊か長い話になってしまいそうで――。
アリシアの側に控えている供の者のこともちらと一瞥しながら、オクリビは一度ここで言葉を切った。]