ええ。本は大好きです。
映画も良いのですけれど、文章の味わいと映像の味わいって
きのこたけのこぐらいには違いますから…
──は、はい。
[きのことたけのこを模したお菓子で戦争が起こり一つの国が滅びたなんて事はないが、人によってどちら派かが分かれるものの喩えとしては適切だったのではないか。いや違ったか。
私がそのまま菓子トークに突入する前に質問が飛んできた。
以前同じ事を聴かれた気がする。ドロシーの息子マイケルに。
父と全く同じように振舞う私を気持ち悪く感じたからだろう。
当然の感情と疑問である。
自然な動作として、私は右手を自身の胸に添える。
そこに心音はない。なんの音もしない。]