[例えば、本当は血は流れてはいけないことを知っていて。
例えば、本当は鉄クズに変えてはいけない事を知っていて。
……知って居たからなんだと言うのだろう。>>13
それを許す世界でも無し、今更手を引く術も無い。
この両手が真っ赤なのが当たり前の人生で、一種の思考停止を迎える。
戦うのは良い、何も考えなくて済む。
戦うのは良い、孤独を有耶無耶にする。
自由が欲しかった。他者の選択を押し付けられたくなかった。>>52
自由で居たいから軍人にはならなかった、抑圧されたくないから一般市民も選ばなかった。
それが都合のいい泥人形を生み出しただけだとしても、自分は自由なのだと血沼の底で叫び続ける。>>319
"俺は、自分で、選んでここに居る。居るんだ。"
喉の傷を軽く引っ掻く。引っ掻いてから叱られたことを思い出して、小さく肩をすくめた。
この癖はさっさと直さなければ。]