は、はい。
[>>319扉の近くにいた少年は、動こうとした後輩を制してそっと扉を開けた。
視界に入ったのは同学年の、軽音部の女子生徒。]
あ、えっと……、まずは中へどうぞ。
[機材を借りに来た、と言う彼女に中に入るように促しながら、機材リストを取りに行く。
一時、流れた噂話は少年の耳にも僅かばかりはいったものの、実際に彼女と話した事は殆どなかった。]
これ、機材リストです。
えっと……何の機材が必要、ですか?
あ、あと、貸出期間なんかも……、予定で構わないので。
[クリアファイルに入った機材リストを彼女に差し出しながらも、視線は下向きのまま。
実際に機材と見てみたいと言うなら、見せる心算。*]