― その日に向けて ―
[まるで遠足を控えた子供みたいに、日に日に増していく胸の高まりを感じながら、わたしは残りの日々を普通に過ごす。
準備は念入りに。
当日どれ程の人数が動くかまでは分からない。けれど一緒に逃げる人の中に、親しい人が居ればいいと思った。
だから私はある日の晩、同室のフィアにそっと話しかける。
薄い布団を肩に羽織って、まるでパジャマパーティーみたいにね。]
ねえフィア
貴女もピクニックに行くの?
[人数は多い方が良いわ。貴女も来るでしょう?
看守の目を盗んだひそひそ話で、何時ものようににっこり笑う。]