[そのおかげで私の心は殺されずに済んだし、
家族の思惑を潰しまくった代わりに
血の繋がりだけの縁を切ることも出来て。
でも、それまでに間接的にも直接的にも向けられ続けたよこしまな悪意に、
大柄な身体や、大きな手は苦手になっていた。
勿論、非道を行うのは男性に限った話ではないし、
男性が全員そうではないことも知っている。
なので誰彼構わず避けることは流石にしなかったけれど、
新たに築いた人間関係は、以前より更に距離を保つようになった。
ろくに知らないのに、怖い、と押し付けるのは嫌だったから。
このまま誰にも近付かず、
物語を生み続けるだけで良いと思っていたのが
まさか、一人の人の隣にいたいと願って、
隣にいても良いと言ってもらえる日が来るなんて
地球にいた時には、思いも寄らなかった]