― 舞台裏/シーンカット後 ―
[行平>>304の肩から力が抜けるのが見えて、
ようやくカットがかかったことに気づく。
どこかぼんやりとしながら息を整えているところに声がかかった。]
……え。
[言われたことを咀嚼するように瞬きすると視界がクリアになる。
涙の膜が剥がれ、改めて目の前の相手を見つめた。
行平はただ思ったことを言葉にしたような様子だ。
その姿は興奮を隠しきれてないように見える。これは夢だろうか?
残念ながら頬を抓る訳にはいかないので、
誠に遺憾ながら根岸はぽかんとした表情を浮かべてしまった。]