[お互い荷解きやら何やらがあって、
家に連れてきてもらったのは早くても1週間は過ぎてから。
案内された自宅もだけれど、目を輝かせたのはやっぱりアトリエの方だった。
絵具や木、土などが混ざった独特な匂いは、意外と気にならなくて
カラントさんの隣と同じような、居心地の良さがあって。
わくわくとした様子を隠さない態度は、カラントにどんな表情を浮かべさせたか。
初めての訪問は、それでも長居せずに帰ったものの]
…かえりたく、ないな。
[カラントの作る空間にずっといたい、と
彼自身の傍からも離れたくないという気持ちが、
訪れる回数を重ねるにつれ深くなって、
帰りたくないと我儘を言うことも、増えたのだった*]