そう見える? 自分じゃ、花が好きだと思ったことないんだけど。
[どう思う?と少し肩を竦めて問いかける。それから。]
ケンくんさ。ちょっと正直者過ぎるよ。あんまり友達、多い方じゃないっしょ?
正直なのは悪いとは言わないけど、さ。
でも、正直過ぎてもいい目は見ないよ。経験してんだろーけど。
なんで急にこんなこと言ってんだって感じだけどね。
んー、聞かれたくないことが人にはあるんだよ。踏み込まれたくない部分があるの。
そこを上手く見極めて適当しといた方が、ケンくんも噂にならなくていいと思うんだけど。
先輩のお節介ってやつだな!うん!
[軽く笑い声を上げて飯島は笑う。複雑な色がその目に宿っていた。
あるいはそれは、彼から見て薄らいだと思われていた怒りの残滓も含まれていたかもしれない。>>316]