[25年程前に起きたその抗争の引き金は、「シンギュラリティが他国に電脳化移植技術を流出させた」という一報。
勿論これは事実ではなく、完全な言いがかり。
シンギュラリティを目の敵とする組織からすれば、敵殲滅の格好の口実が得られればいい、という程度の開戦理由だったかもしれない。
理由の内容が内容なだけに、常から険悪な組織同士がこの時だけは共闘する>>1、なんてこともあっただろう。
シンギュラリティへの襲撃実行から組織壊滅に至るまでは、1週間にも満たなかった。
誰の貢献あってか、首領や主要幹部らは徹底的に殺害・破壊され、組織本部はあっさりと壊滅した。
機械至上主義の思想は兎も角、組織が蓄えていた情報や機工には「戦利品」の価値が十分にあっただろう。
下っ端の僅かな残党が他の組織に流れて電脳化のノウハウや機工技術を伝えたという話も、真偽は別として存在する。
掃き溜めの中に眠っていた技術を発掘した者もいたかもしれないし>>60
10年前の時点で一定の規模まで拡大していた、とある組織の実験>>307に助力していた残党もいたかもしれない。]