[愛を知らない、乱暴な、とってもかわいそうな人。わたしが愛す前に死んじゃった。] 良かった、 あの人も誰かに愛されたのね[胸に手を当て、目を閉じる。自分が愛す事は叶わなかったものの、彼が誰かに愛されたのであれば、こんなに幸せな事はない。ラブレターに何が書いてあったか気になりはしたけれど、今は彼の幸せを祝いましょう。居なくなってしまった顔を思い出しながら、唇を桃色に染めて。本当に愛されたのは彼でなく自分と言う事も知らぬまま、小さく歌を歌っていた。*]