[サイドテーブルの包みの中身は本らしい。>>352
そういえば当たり前のように言葉を交わしているが、翻訳の魔法をかけられているという説明があったっけ。
そのあたりの記憶がところどころ曖昧なのは色んな意味でパニックになっていたせいだろう。
なら文字も問題なく読めるかな。
昨日読めなかった呪文のような何かは、きっとこの世界の特殊な文字なんだろうと勝手に思い込んでいた。
ピギーの語る言葉を基本的に無言で聞く。
身体はピギーの方を向いて。
相槌はろくに打たないが、首は時々縦に動くことがあった。
飲み物を淹れる時には。>>354
じゃあこれ、とそんなに迷わずに選ばれた茶葉があった。
すぐに湯に入れるのではなく茶葉を見つめる。
紫と、緑。すん、と香りを嗅いでみて。
適温が分からないが、ハーブティーみたいなものだろうかと、成分がたくさん抽出できるように再度湯を沸かし直してから使う。
湯に浸かるとふわっと広がるのは。
香りと、紫の花と、緑の葉。
なんの花だろう。きれいな色だと目を引かれていた。]