現在:アドベンチャーエリア、デラックス・イーグル
[他の来園者による行列がないどころか、待ち時間ゼロですぐに搭乗できるというまさに夢のようなシチュエーション。実際、これは夢だ。
手に持っていた風船だけは流石にスタッフに預かってもらうことにしたが、それ以外の持ち物や出で立ちはそのままに搭乗車両へと。]
あー…ところで君、
この車両の構造の細部について
私のほうで記録を取ってもいいだろうか?
他にも走行中の速度や力の変化、レール曲線の――…
[等々、コースターの機構についての調査についての断りを、砂色に半袖の探検隊の衣装を纏ったロボスタッフに入れながら、座席の安全バーを下げる。
この時のヘローの関心はあくまでこの機械仕掛けの鷹のほうに。
ロボット探検隊員の関節の駆動とか人工表情筋の動作とか各種外装の質感とか会話応対パターンとかを訊ねたり確かめたり調査したり計測したりウザ絡みしたりなどのカスタマーハラスメントは何一つ行っていない。]