[ 縋るような片手を、そっと握り返す。>>329 今はあのときと違って手袋越しだけれど、 体温はいくらか伝わるものだな。 ずっとオレに触れようとしなかったのに、 どうしたんだろう。 不思議には思っても、拒む気は少しも起きない。 布に阻まれていても、触れてくれる手は暖かい。 ]