ー 過去回想:赤い悪魔 ー
[……幾度となく刺客を送る、
幾度となく闇討ちを試みる。
末端の奴らが俺の顔を知るわけもない。
だが奴の危険性だけは確実に伝えてあった。
命を賭け、自爆覚悟で突っ込んだやつもいるだろう。
しかし、奴は面倒なことに、
ハッキング能力だけでなく…
ある程度腕も立つようだ。
生身の人間はほとんどいなすだけで相手にしないくせに、機械化人類に対しては執拗なまでに破壊を試みる。むしろ取り残された人間が、仲間の『死』に慟哭し、取り乱すほど悲惨な壊され方だった。機械化人類であるこのボスをおちょくっているとしか思えない。これほどの屈辱があるものか。
赤い悪魔、メフィストフェレス。
ここまでコケにされたのは久しぶりだ。
必ず潰す。必ず、だ。
スラムのチンピラは煽りに弱い。殺意の闘志は被害者が出るたび燃えるばかり]