[この世界で最初に口にするものが決まった。>>355
最初は主食かもしれないパン、次に野菜とお肉。
ソースは酸味が食欲を刺激し、辛みは自分には強めだったが口の中のひりひり感を無視すれば美味しく頂ける。
じゅわっと唾液が出てくるのを感じた。
こんな感覚、覚えていないくらい久しぶりだった。
行儀が良いという感想には首を傾げ返す。
互いに同じものを食べ、同じ仕草をする数秒間。]
……。
[咀嚼中なので喋れないが、オオカミ頭に変わった瞬間を見逃したのに目を見開いたり、着ぐるみの中の人が食べているというより四次元に消えているように見える食材に、ピギーという存在への謎が深まり眉を寄せたりしていた。
低い声も魔法で作られている可能性もあるのかもしれない。
そもそも人間? 性別とか、ないのかも――どうなのだろう。]
……。
[それにしても美味しい。
小さな一口を何度も繰り返すのが止まらない。
かぶりつきながら頷くなんてことをしつつ、オオカミなピギー>>356からこの世界について教えてもらう。]