……かっこいい?
[さて現実のスーツ紳士は、普通にスーツ紳士なので、
突然零された賞賛の声に、驚きの声を漏らす。
そう、全く持ってそのような賞賛が来ると思っていなかったのだ
少しキョトンとした顔で、しかし、老紳士が続けた言葉に、少し考え込む素振りを見せる]
……ヒーローになる。か。
私は正直、勧善懲悪物のヒーローの良さはよくわからない。
結局のところ、あれも互いの理屈をぶつけ合った結果、敵をねじ伏せただけに過ぎないとも言えるからだ。
[…ゴーグルを翳しつつ、男はまた一つ思案する。
そして、声を漏らす。]
……人の気持ちを、心から理解したいと思ったのは、思えばこれが初めてかもしれないな…君のように、分析の結果出た反応であるということに気づけないほど、私も思い込めればよかったものだが
[…ヒーローに、今更憧れるなんて、おかしな話と思うだろう?
男は、そういって…『心』を持った『隣人』に心の一部をさらけ出した*]