[言葉の反復の中で僅かに見える違い>>366に女は笑みを返す。
嬉しそうな様子であれば、つられて笑うのも悪いことではない。
それが相対する者にとって特別な言葉であれば、尚の事。
そうして案内にしばらく待たされ
ようやく用件を話す番となれば、隣の男が拾った石を出した。>>367
スタッフの女は石と男を交互に眺めた後、意図を問うように連れ立つ女に視線を向ける。
女はそれに苦笑で返し、経緯を簡潔に説明をした。
曰く、トループの人間であること。
曰く、支給端末を紛失している可能性があること。
曰く、出国の申請手続きの確認に来たこと。
合わせて、スタッフが長くこの地域に常駐していることを知っているため、男の人物照会をしたいと言う話も続けると、スタッフは再び男の姿を確認する。
そして、問いかける男の言葉に首を横に振った。]