裏通り・ズィーとオクリビと
[ああこの子は無関係だ、と確信を得ただろうか。
国の中身を問われればまるで考えたこともないかのように慌てて答えるその姿は、どう見ても孤立無援の、ただ国造りに憧れる少女。
人間らしい外見とよく通る声、そして年齢に似つかわしくない──大柄な、はっきりと言えば筋肉モリモリな体格に目を引かれはしたものの。]
そうなんだ、すごいねえ![この子から聞ける話はこれくらいだろうか、と適当に相槌を打つ。
これまで同年代の子供と関わりを持つことは少なかった。
その事に不満を持ったことはなく、
強いて言うなら初めてページボーイと会った後にはそんな気持ちに襲われることもあったのだけど、しかしこうして裏出身の子供が何かをしようとしている事に、興味が無いと言えば嘘になった。
だからだろうか、ズィーと呼ばれる少女の風貌を観察していて反応が遅れてしまったのもあるし。そもそも、握手でもするのかと伸ばしてきた手を拒むことはせず──]