[相手が単なる「幽霊」でないことくらい、もうこの国の人間たちの多くは解っている。
そして今は、公爵がばら撒いた情報のみならず、直接の手土産によって得られた知が広く展示されている>>163>>164。オクリビもまた、その知の恩恵に預かったひとり。]
やるわよ、皆!
[アイドルネームの名乗りこそする余裕が無かったが、ステージ上の座長がごとく、オクリビは鬨の声を上げてカタナを抜く。
未だ肩の上に留めていた「鳥」も――オクリビの死角を補い敵を攪乱するモノとして、ひらり、舞う。
さあ今から斬る相手は「外装だけの亡霊」――初めから生きていないなら、殺してしまう心配も要らない!]