「国交断絶の際には、既に多数の難民が流れている状況でした。
その全ての人を把握することは、私にはできません。
話し方は独特ですので対応あれば覚えていそうなのですが…」
[そう言いながらスタッフは手元の端末を確認していた。
しばらくすると、ビーッというアラート音が一度鳴り、スタッフからため息が漏れる。]
「先ほどのお声から、声紋認証で登録を確認しました。
その結果、どうやらこの地域の管轄でないか
そもそも登録自体が別の預かりになっている可能性があります。
難民用の支給端末の再発行はできませんが
トループへお帰りになられるのでしたら
こちらの電子キーを、お帰りになる当日にお出しください。
これで仮の出入国管理が可能になります。
……そういえば、お名前をお伺いしても?」