― 春/図書室 ―
[彼と遭遇したのは、花壇の色が変わる前か後か。
どちらであってもあまり大きな違いはない。
だって結月は件の"事件"に強い興味がなかった。
だから、このシーンで結月の顔が映るのは二度きり。
一度目は、ケンが少女に意識を向けた時。>>309
二度目は、男子生徒が結月の話をした時だ。>>310
視線に気づいたのか、瞳がケンの姿を捉えた様子が映る。]
……?
[見たことがあるような、ないような。
これが"事件"の後であったとしても、結月の反応はきっと同じだ。
だって少女が目にしたのは去り行く姿ひとつ。>>122>>149
であれば、その瞳に避難の色>>305は欠片も乗らない。]