「それじゃ、この付近の店に入りましょうか。
あ、モチロン、こちらで出しますよ」
最後にちゃんと領収書をもらえば大丈夫!
彼を伴って訪れたのは、そこそこ繁盛している酒場。
馴染みの店主に目配せで合図を送れば、何も言われずとも店の奥へと案内される。
厚いカーテンを捲った奥にあるテーブル席は、ちょっとした個室風でもあり、情報交換にはうってつけの場所だ。
お互いにテーブルを挟んで席につけば、
「お好きなものを頼んでください。
あ、マスター。俺はいつものね〜」
自分のは昨夜も散々飲んだエールだ。
最も出回っている銘柄だし大衆の人気も高い。
安くて美味いは最強だ。