─梅雨・放送準備室─
まあそうだよね…。
うちは、他と違ってコンクールとか無いし。
[厳密にいえばあるのかもしれないが、そこまで本気で取り組んでいる部員は居ないと言うことだ。
参加もしていない。それを検討すらしていない。
そんな部活に、生徒会の予算が少しでも割かれてること自体に有り難みを覚えなくてはならない。
故に真面目に参加する部員が少ないことを、竹村茜は密かに悩んでいた。
音楽が好き。歌うことが好き。でも合唱部は性に合わない。
だから竹村茜は軽音部に比較的真面目に取り組む少数派でもあった。
>>365それにしても目が合うと後ずさられ、竹村茜は目をパチパチと瞬かせる。
そうしてから、ふるふると首を横に振った。]