[それを彼女に伝えたのは果たして良かったのか悪かったのか。思い出させてしまったことへの罪悪感と。少しばかり淀むその声音>>298に、失策を覚りまた、自分の未だ癒えぬ傷が血を流し始めたのを自覚する。未だ、お前の笑顔が思い出せるのにその声だって、思い出せるのにもういない、俺の幼馴染。] ――…… そうだな。寄る辺もない、この世界じゃ。 1羽だけでは、重すぎる。[鳥を作れたとしても、それが留まる肩はない。首を横に振る、君の姿に。昼行燈の眼鏡の奥に隠された緑の瞳がゆらりと、揺れた。]