[こんな未来があったかもしれない。戦場でボクは西から東へと駆けていく。光の速さを捉えた男が『止まれ』とボクに声をかける。勿論ボクは止まらない。
そんな未来があったなら、ボクは叫ぶかもしれない。『貸し1でしょ』って。そしたら見逃してくれないかな、おじさん]
[こんな未来があったかもしれない。偵察の最中、トループの片隅で元メトロポリスの医者の姿を垣間見た。甘いものが好きな背の高い医者だ。
そんな未来があったなら、今度はボクが見逃す番だ。”変わらず明日が来ればいい”、彼女もまた、そう思っているのだと心の中で信じながら]
[こんな未来があったかもしれない。もう少し大人になったあとのボクが、赤い髪の男と再会する話。次会う時は戦場じゃないといいと言いながら、戦場じゃん!ってツッコミ入るやつ。
そんな未来があったなら、銃を向けられたとしても、跳ぶ前にきみに聞いてみたい。「あの時よりも、お互い大人になった?」ってね。仲良くするのは、無理そうか。そしたら”次会うときこそは”って言いながら、別れを告げるかな]