――――回想:孤児[ お互い馬鹿正直ではいられないものだな。>>276 仮に私が君のことを少しでも知っていたのなら この時間は化かし合いという名の馬鹿試合、 ……に、なっていたかもしれないが。 現実の君は夢を見て、それから、私に手を伸ばした ] …………気に、しないで[ 零れた口調は、少しばかり柔いもの。>>277 かつての弟の幻視を目の前の少年に重ね、揺れ、 私は変化した呼称に気付いてはこめかみを抑えた。 伸ばされた手を受け入れる資格は私には無い。 ]