[正門をくぐった時のやり取りでは、謝らせてしまった事で僕の評価がスコンと地に落ちる予感がしたが、後に続く言葉を聞いて事なきを得た。>>348
こじつけと取られても仕方ない話ではあるんだけどね。
熱心に聞いてくれるイノリくんは良い子だなあと、再び眩しい感覚に襲われる。 ]
お、興味出たかい? 嬉しいな。
そう。居なくなってしまった人だって、その時その場所には存在している。何をしていて、何を考えて、どんな表情をしてたかは、その時撮った本人しか知り得ないんだ。
どんな想いで撮られた写真かって考えるだけでも見え方が変わってくるんだよ。
[と、話したところではたと気付く。
しまった、つい熱く語ってしまった。
なんだか心なしか僕に向けられる目線が尊敬に近い物になっている気がしてきた。
『まあ今は大して売れてないんだけどね〜ハハッ』と言うジョークにもならない自虐で締める筈が切り出すタイミングを損ねてしまった、不覚。 ]