[ 君に学がないことも、識字能力の欠如も知らない。>>278
私は比較的恵まれた環境で育ったからだ。
食うに困らず、知識に飢えず
王を愛し続けて、愛され続ける──そんな人生。
少し考えれば分かっただろうにな。
あの時の私は思った以上に動揺していたんだ。
君が呼んだ 姉 を求める、その声に。 ]
そうか
なら、君に任せよう。──壊れやすいものは
私以外が触れない位置にあるから、心配するな
[ 少し顰められた顔を見て、私はその時ようやく>>279
この少年が辿って来た境遇というものを
想像することが出来たのだった。 ]