[いずれにせよ、久しぶりの肖像写真に内心張り切っていた僕は少し変化が欲しいなと思ってしまった。
レオーネさんは違うのかって? あれは特殊ケースかな……。
ふと見やれば、先ほどレオーネさんを撮ろうとした時に映りたそうにしていたスタッフ達が遠巻きに見ている事に気付いたので、手で指し示す。
ピエロ姿のくまや、小さな妖精……ノームって言うんだっけ、そんな映りたがりな子達はぱっと顔を明るくして、イノリくんの周りに集まっていく。
イノリくんは戸惑ったかな、ごめんね。ちょっとした悪戯心。
集合写真を一枚撮れば、イノリくんにフォーカスを合わせて。
驚いた表情が見られれば一枚、もみくちゃにされて笑みが零れたならまた一枚と撮って、正門前の記念撮影はおしまい。
撮れた写真はそれなりに納得いくもので、想像すればポラロイドカメラが流すような音と共に撮った物が1枚、2枚と手元に現れる。 ]
……はい、こんな感じ。
改めて、遊園地にようこそだね。
[少しでも楽しい思い出となりますように、なんて想いを込めつつ写真を手渡したのだった。 ]