[この拉致事件から程なくして、「夜の女王のアリア」による「シンギュラリティ」掃討>>379>>380が始まった。この襲撃には他の組織も加わっていたかもしれない。
この侵攻以前から主要メンバーの暗殺やシステム侵入はあったものの>>377>>378、この異常事態を「他組織」の犯行とAIが機械的に判断してしまったのが、終わりの始まり。
異常事態を察知してなお、攫ってきた人間たちの機械化のルーティーンを崩さなかったことも敗因のひとつだっただろう。
ともあれ、「愉快犯」の下ごしらえや「他組織」の仕上げを経て、シンギュラリティはトループからあっという間に消滅したのである。
こうしてズタズタにされた施設のひとつには、何機かの機械化人類――攫われた被害者の慣れの果てが遺されていた。
完全にヒトへの擬態が行われた者。中途半端な外装の者。CPUに意識を移植しただけの状態の者。見つかった者たちは組織に回収されたかもしれないし、そうならなかったかもしれない。
ただこの時、少なくとも、レイの意識を移した機体は発見されなかった。]