[ゴンドラがファンタジーエリアの一画に近寄った所で、突如ゴンドラが揺れ始める。
見れば、そこはフェアリーエリアだったようで、湖に居る筈のゴンドラが近場まで来た事に興味を引いたらしい。
淡い光を放ちながら寄って来るホタルの様な妖精は相当な悪戯好きらしい、僕の帽子を取り上げようとしたり、ゴンドラに乗っている船頭さんにびっしり乗って羽休めをしたり。
あっという間にゴンドラの上が妖精塗れになってしまい、着岸を余儀なくされてしまった。 ]
……まあ、イノリくんの見てみたい場所だったし、丁度いいか。
どうする? 少し周りでも見てくるかい?
[フェアリーエリアに用意された桟橋で降りながら、イノリくんに話しかける。
船頭さんの次は僕に目を付けたらしい妖精は眼鏡の前に張り付いてしまって大変視界が悪い。
そう言う鼻眼鏡か何かを掛けた状態の僕はしかし、特に意に介さず話すものだから、さぞかしシュールだったろう。
イノリくんが散策をするなら、ゴンドラ周りの後片付けを済ませて後に落ち合っても良い。
僕は光る眼鏡の状態のまま返答を待つ事にした。** ]