[アリシアと話して初めて気づいた自分の中の異物を持て余しながら、わたしは今日も、彼女に向かって微笑みかける。>>1:190>>1:191>>1:197]
おかげさまで、完全回復したよ
心配かけてすまない
折角、本部まで来てくれたと言うのに
[ごたごたの真っ最中であるアリア本部に部外者を通すなどと、そんな無茶、通る訳が無い。
どんなに普段親しくとも、彼女は無関係の他者。少し寂しいが立場としては仕方のない事だろう。
上って行ってと言う言葉を断る理由は何もない。>>375
お喋りに、お茶会に誘われるまま、彼女の屋敷へ足を踏み入れる。
彼女の祖母は自分が来る事を好まなかった。普段から嫌われる事の方が多い為慣れてはいたが、この交流には悪意も何者かの意図も何一つ無いのだと、そう信じて貰えたかどうかの答えは既に自分には分らない所へ行ってしまった。
扉を潜った所で少し屈んで、グリムの頭を撫でる。]
良い子だ
[毛皮の感触が温もりが、自身の人工皮膚、義手の神経系越しに伝わり、生あるものの存在に安堵を抱く。
尻尾の反応までは注意深く見なかったが、嫌われている気配は感じない。多分。]