[やがて「下っ端の残党」のアンドロイドは、この「人形」をリリオ・カサ・ブランカへと運んでいき、簡単な事情の説明をした。
曰く、この機体に搭載された意識は「レイ」という15歳の子供であり、おそらく女性自認だということ。
この機体を作り上げ電脳化を行った組織は、既に消滅したこと。
その後、ヒトの青年によく似せた容姿のこのアンドロイドが何処へと向かったかは、さて。
外見上は確かに「男性ではない」が、中身が「女性」だともすぐには判らないこの少女がすぐに施設に入れたのは、この葬儀社で彼女の母親の葬儀を執り行ったことがあったから。
未だ幼い頃の、喪服ではないふわっふわのドレスを着て参列していた「レイ」という子供の顔を、リリオの女たちは確かに覚えていたのだ。**]