[フットマンは気まぐれで。とんでもなく“多趣味”。彼がまだ『夜の女王のアリア』にいたときのある日。その日、目が合った相手にふと嫌な悪戯を思いついた。フットマンからしてみれば、本当に些細な悪戯だった。だけど、他者から見れば、決して悪戯では済まされないだろう。街で目が合った若い青年を掴まえて、その場ですっかり仲良くなった。一緒に酒の席について、青年が正常な判断を下せなくなった頃。フットマンは──心の隙間に疑心を植えた。]