[僕はそう呟いた後、感覚の戻ってきた右手で言葉を連ねていく。
内容は勿論、僕がこうして無茶な服毒をした事も、そのきっかけとなるあの遊園地の事。
僕の語る内容に瞳を輝かせて食い入る様に文字に集中するお嬢様を見れば、懐かしさがこみあげてきて。
遊園地内で撮った写真を見れば、『私も行ってみたいです』と帰ってきて、僕は大きく頷いた。
そうそう、今でこそどうしてティアお嬢様にチケットが届かなかったか、を僕なりに解釈してみたんだけど。
彼女、なくした物は無いなんて言うんだ。
全部、僕や孤児院の子供達から受け取った物を大事にしまっているからって。
きっと、比喩表現抜きに彼女は心の底から"幸せ"だったんだろうね。
僕が勝手に不幸だと決めつけていた事に関しては、申し開き用もないけど。
これで彼女が快復に向かっていくなら、沢山未練を作って貰おうと思ってる。
僕は大切なものを見つけてしまったから、次に遊園地にいけるのが何時になるかは分からないけど。
少なくとも、遊園地の話を聞いたティアお嬢様の瞳は輝いていたから、頼みますよ、レオーネさん。なんてね。*]