『 図書室にいると部活動の音がよく聞こえる。野球部の掛け声、テニス部のランニング、放送部の発声練習、軽音部の演奏。 ――美術部の音はない。ないはずなのに、ふとした瞬間に真宮寺の明るい声を懐かしく思ってしまう自分に気づいて、結月はゆるく頭を振った。』[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]