[やがて、落ち着き始めた頃に改めて私は言葉を紡ぐ。] ──あの、ね。ルミに伝えておきたい事があるのよ、たくさん、沢山。 まずは……そう。嘘みたいな、ほんとの話から。 私の中に居た、あの子(・・・)の話。 私の本当の名前は──。[もう、あなたに伝えない事で後悔したくなかったから。 時間がある限り伝えよう。 あの子(フィア)のこと、わたし(ラビィ)のこと。 私に手を差し伸べてくれた人のこと。 沢山貰った温かい気持ちを、あなたにも半分こ。 そして、また会える日が来ることを願って──。]