[それからわりとそれなりにだいぶ(※夢の中なので時間は曖昧である)経ってから、漸くヘローはスタッフの手を借りることなく自力で立つことができるようになった。
ここまで支えてくれたロボスタッフに「ありがとう」、と(腕の力加減の体感データも頂けたことは黙って)礼を述べてから、足元の白い子犬を再び見下ろす。]
しかしこの子、妙に私に懐いてくるな……。
この子に似た毛並みの知り合いはいるんだが。
この子は、君の友達か?
[再び正面の相手に向きなおり、今度はこちらから問う形に。「貴方」呼びが「君」に変わったのは見た目から受けた年頃の雰囲気に引きずられたからで、特に深い意味はない。
そしてここで「飼い犬」でも、飼い犬という意味での「お子さん」でもなく、「友達」と口にしたことに特に大した意味はない。
ヘロンという人間に、「獣」の姿の生き物を「友」と呼ぶに至るようになった過去>>122があった、ただそれだけのことだ。*]