だけど、おれたちは医者だからな。だから、お前たちに変わらず明日がくればいいと思う。 “もしかしたら、明日は今日よりマシかもしれない。” “だから、明日も今日を生きてくれ。”──ってな。[そう言って、目には昏い色が落ちたまま、笑みを深める。][明日、戦争が終わるかもしれない。そう言って励ましたときの、負傷兵の恨みがましそうな昏い目を思い出した。子どもの言葉に、芋づる式で出てきてしまったその記憶を、頭の隅に追いやった。*]