―回想:サファイアと―
[お嬢さん、と呼ばれて振り向けば白衣の男がそこにいた。
彼のことはよく知っている。サファイア・ウロボロス、直接話したことはないが有名な男だ。]
……そのまま報告すればいい。私は、負傷兵の治療をしているだけです。
[邪魔をするつもりはないようなので、そのまま作業を続ける。ヴァルハラ兵は気を失っているので我々をみて騒がれることはない。]
暇なら手伝ってくださいよ。その方が早く終わる。
[期待はしていない。一人でも作業は続ける。
彼の技術を間近でみてみたいと、思ってしまっただけだ。]*